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2026.10.20Interview
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特別インタビュー公開。自身を「GHOST IN THE SHELLチルドレン」と語る常田大希の、「攻殻機動隊」への想い

インタビュー・柴 那典 撮影・山谷佑介(ende)

新作TVアニメーション『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』のOP/EDテーマを担当した常田大希(King Gnu / MILLENNIUM PARADE)の特別インタビューを公開。「攻殻機動隊」から受けた影響や『攻殻機動隊』の音楽への深いリスペクト、そしてOPテーマ「GO GHOST」、EDテーマ「Blue」の制作秘話など、その深淵なる世界観について深掘りしていく。

※本文は、YouTubeで公開中の動画『特別インタビュー | 常田大希【攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL】』の一部を編集・テキスト化したものです。

 

——常田さんが『攻殻機動隊』に最初に出会ったきっかけは何でしたか?

 

常田大希(以下:常田) 菅野よう子さんが音楽をやってたりとかね。川井(憲次)さん、コーネリアスさんもそうだけど、そういう音楽文脈の歴史もしっかりある作品だったので、そういう中から自然と触れてきました。

 

——『攻殻機動隊』の世界観やストーリー、キャラクターなど、どんなところを魅力に感じましたか?

 

常田 『攻殻機動隊』といったら、みたいな音楽ってあるじゃないですか。もうちょっと前には、芸能山城組もそうですけど、ああいうトラディショナルなものを、未来を描いた作品に合わせるみたいな、SFに合わせるっていうことに、痺れました。
なんて言うのかな、ギャップというか、かなり原始的な日本の民謡だったりっていうものを、こういう合わせ方をするのめっちゃかっこいいなっていうのは、昔から一つの自分の中の指標ではずっとあったので、まさに『攻殻機動隊』はそういう時代を背負っているというか、金字塔なので。とてもリスペクトしています。

 

——『攻殻機動隊』から受けた影響や感じた刺激にはどんなものがありますか?

 

常田 自分の中でニュアンスが近いのが、すごいバイオレンスな映画だったり、シーンに、真逆のすごい美しい音楽を弾くみたいな、音楽と映像のあり方というか。
俺的には(クエンティン・)タランティーノとかもすごい好きなんですけど、そういうギャップの作り方というか、逆のものを弾くからこそ浮き彫りにできるものがあるなっていうのは意識しますね。
静のものに静を合わせてもおもしろくないようなのは、まさにそういう作品たちによって感じて、実践してきている感じはあります。

 

自分自身、『攻殻機動隊 / GHOST IN THE SHELL』チルドレンだと思います。クリエイティブ全般で見て、共通認識っていうくらい潜在的なレベルで。街の描き方とか世界観の描き方が、改めて『攻殻機動隊』のここだなとか話すことはないですけど、自然と共通認識になるというレベルの話ですね。

——今回の『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の主題歌のオファーを受けての最初の印象は?

 

常田 もう“川井憲次”のオープニングでいいじゃないですか、正直。俺の中ではもうちょっと神聖なものというか、俗に落とさなくていいじゃないっていうような思いは『攻殻機動隊』にも同じように持っていて。なので、ポップスをオープニングに据える必要もないし、っていう思いはもちろんあるんですけど、でも当時のその素晴らしいメンバーのクリエーションがそのまま若い世代、この同時代に適応できるわけではないので。そこを自分の中ですごい多面的に見て、King Gnuでやった方がいいんじゃないか、と。

 

『攻殻機動隊』って俺らからしたらそういうような存在ですけど、やっぱり次の世代に繋げていく役割なんだろうなと思ってて、自分は。なので、そういう意識を持っています。届けて繋いでいかなきゃいけないために、俺たちの世代はどうするべきかってことは、『攻殻機動隊』って作品と絡むときにはすごい考えますね。

 

 

——今回はオープニングテーマがKing Gnu「GO GHOST」、エンディングテーマがMILLENNIUM PARADE「Blue」と二つの名義で携わることになりました。この経緯は? 今の常田さんにとって、King GnuとMILLENNIUM PARADEにはどういう位置づけの違いがありますか?

 

常田 やっぱり日本においての文脈の上にものを作ろうとしてるのがKing Gnuだと思っていて。それで、MILLENNIUM PARADEはもうちょっと自由というか流動的というか、無形な感じ。なので、それこそ本当に世界観というものに向き合って音を作るっていう意味ではMILLENNIUM PARADEの方が向いてるんですけど、下の世代に繋いでいくっていう、
そういう社会的な視点を考えたときに、King Gnuで作った方がいいんじゃないかみたいなのはあります。
King Gnuの方がポップス的であり、MILLENNIUM PARADEの方がサントラ的な方面もやりやすいっていうような、作る時のマインドの違いはあります。

 

——King Gnu「GO GHOST」はどんなアイディアから制作を進めていきましたか?

 

常田 まず、いわゆる『攻殻機動隊』サウンドだったり、音楽と映像の関係もそうですけど、様式にちゃんと則りたいと思ったので、東京藝術大学で舟唄、民謡を歌ってる子に声をかけて、まずそこを録り始めました。サンプリング的な考え方じゃないですけど、そこの民謡を録って、そこからどうしようみたいな感じですね。
やっぱり『攻殻機動隊』といったら川井さん。バンドの方に行ったら、また菅野さんの要素もありつつ、『攻殻機動隊』でやっていたちょっとアッパーなエレクトロにきれいな高音の女性が乗っかるっていうようなのも、King Gnu的にアプローチできるなとは思っていたので、かなり『攻殻機動隊』リスペクトの音像感にはなりました。
男っぽさ……King Gnuにも両面ありますけど、そこはできるだけ出さないようには心がけました。

 

 

——MILLENNIUM PARADE「Blue」は3年前にサヤ・グレイ、ダニエル・シーザーとのセッションで生まれた曲ということですが、振り返ってどんな体験でしたか?

 

常田 『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』が立ち上がる、もっと前の話です。3年くらい前に東京にサヤが来ることがあって、そこで一緒にスタジオ入って曲を作ってたんですけど、そこから半年後くらいにまた別の曲でLAでダニエルと別の曲を作ってたんですよ、今回の曲じゃないもので。
それで、『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』が立ち上がったタイミングで、すごい親和性があるなと思って。オープニングとかエンディングとかいったん考えずに、サヤとの曲を作り直しだしたのが1年くらい前。そして、ダニエルがまた東京に来ることがあって、それこそここ(スタジオ)に来てダニエルとの曲をやってる途中でサヤとこんなことやってる、みたいな。サヤとダニエルはもうかなり昔からの仲なんですよね。それで、こんな曲やってんだよねって聴かせたら、「歌うよ」みたいな感じで急遽ここで録ったみたいな流れです。

だからダニエルが俺を知ってくれた、繋いでくれたのも、サヤがダニエルにこういう人いるよっていうのを耳に入れてくれて、そのセッションが始まったので。そういう意味ではかなりタイアップベースとかで立ち上がったものっていうよりも、もっとオーガニックな関係値というか、成り立ち方ですね。

 

——常田さんはこれからの未来、どんな世界になっていると予想しますか。音楽やアートの世界で、どんなマインドを持った人が活躍してほしいと思っていますか?

 

 

常田 スーパードメスティックであるべきです。最近すごく思っていて。やっぱり小さいコミュニティ、国の中で、独自の価値観を持って突き進まなければいけないっていうのは、そうやって物ごとをきちんと判断していかなきゃなとは思います。
特に、アートにおいてはより思いますね。政治とかのことは分からないですが、音楽においてはよりそういう時代になる気はしますけど。
K-POP的な考え方とは逆ですけど。そこはもちろん、自分なりの解釈とデフォルメの先の話だとは思いますけどね。