© 士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
© Shirow Masamune, Production I.G/KODANSHA/GITS2045

KODANSHA
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2025.07.24Interview
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「©SAINT Mxxxxxx」が共鳴した、『攻殻機動隊』の世界観とクリエイション。全世界100枚限定の特別なコラボレーションTシャツが誕生するまで

編集:福津くるみ

これまでにも『攻殻機動隊』とのコラボレーションを行ってきた、デザイナー細川雄太と、アーティスト兼デザイナーとして活動中のCali DeWittが手がけるブランド「©SAINT Mxxxxxx」。そのユニークでリアルなヴィンテージを追及したモノづくりや、手作業によるペイント手法を使用したデザインで、国内外に多くのファンがいることでも知られている。

 

今回、世田谷文学館で開催中の『士郎正宗の世界展 〜「攻殻機動隊」と創造の軌跡~』を記念し、「©SAINT Mxxxxxx」と再びタッグが実現。スペシャルコラボTシャツが、2025年7月26日(土)より、全世界限定100枚で発売される。

 

今回、そのスペシャルなコラボレーションについて、デザイナーの2人に特別に話を聞いた。

士郎正宗氏がアパレルブランドのロゴを初めて手掛けた、スペシャルなコラボ

——カリ・デウィットさんと細川雄太さんが2020年に設立した「©SAINT Mxxxxxx」ですが、ヴィンテージにこだわっているのはどのような背景からでしょうか?

 

もともと2人ともヴィンテージが好きでバックボーンが共通していたこと、また〈©SAINT Mxxxxxx〉は普遍的なブランドにしたかったこともあり、ヴィンテージ加工を施すことで着はじめから何年も着込んできたような雰囲気を味わえますし、さらに長く着用していただいても自分だけが育てたという経年変化も楽しんでもらえるような、末永く愛着が持てるプロダクトを目指しています。

 

——「©SAINT Mxxxxxx」における制作過程でのこだわりに関しても教えてください。

 

着心地やシルエットにももちろんこだわって製作していますが、特にヴィンテージ加工に関しては、何度も何度も納得がいくまで生産工場の方と試行錯誤しながら製作しています。 デザイン毎に加工を入れる位置を変えたり、1枚1枚職人が手作業で加工を施しています。

 

——『攻殻機動隊』とのコラボレーションに関して。これまでも『攻殻機動隊』とのコラボレーションを行ってきたセントマイケルですが、今回の士郎正宗展とのコラボレーションに関して、デザインの点でこだわった点などを教えてください。

 

士郎正宗氏のグラフィックをふんだんに使用し、コラージュを制作しました。 自分たちとしては士郎氏の世界観やキャラクターと、コラージュ手法との相性が抜群に良いと思い、今回取り入れました。氏の代表作『攻殻機動隊』が1989年に連載を開始したこともあり、親和性も十分あるかと思います。もともと黒いボディのTシャツをベースに、ところどころ黒を残しつつも色を何度も抜いて白とのツートンカラーにし、そこにコラージュを大判の版を用いて、手刷りで落とし込みました。黒ボディの色を抜くところからすべて手作業で行っています。

 

 

——デザイナーのお二人が『攻殻機動隊』の世界観からインスピレーションを得ているものはありますか? また、『攻殻機動隊』のシーンで好きな場面はありますか?

 

言葉にするのは難しいですが、たくさんインスピレーションを受けていると思います。特に色使いなどは強く受けてるのではないでしょうか。1番好きなシーンは、1995年のアニメ映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の冒頭シーンで、 草薙素子の義体が誕生するシーンです。

 

——今回、「©SAINT Mxxxxxx」のコラボレーションに際し、ロゴを士郎正宗氏が描き下ろしています。ロゴ案はかなりの数があったようですが、その中からなぜあのロゴを選んだのでしょうか?

 

ファーストインプレッションでこれだと感じました。最も、『攻殻機動隊』らしさが伝わりやすいんじゃないかと思いました。

 

——『攻殻機動隊』のクリエイションに関して。原作の『攻殻機動隊』に対して、また士郎正宗氏に対してなにかコメントはありますでしょうか?

 

願いが叶うなら、ぜひ一度お会いしてみたい方です。

 

アニメ・漫画とファッションとの関係性

——漫画・アニメとのコラボレーションも多々行っていますが、ブランドの世界観と合致するような部分はどういったところでしょうか?また、ファッションと漫画・アニメのコラボレーションにおいて昨今、さまざまなコラボレーションが生まれていますが、ファッションとの相性に関してどういった部分にあると思いますか?

 

そもそも漫画やアニメというものは、良くも悪くも“オタク”の文化だったわけですが、い つのまにかファッション目線から見てもクールでカッコイイものというコンテンツとなり、 いわば市民権を得たわけです。フランスやアメリカなど海外からの逆輸入的なアプローチや、我々日本人が誇るべきカルチャーとしての再認識など要因はさまざまあると思いますが、昨今のヴィンテージ界隈における漫画・アニメTシャツの人気もそのひとつでしょう。 通常のヴィンテージものでもそうですが、例えば10年前や20年前、30年前に誕生したり、盛り上がったもの(作品)が常に掘り起こされて、その時代時代に合ったフィーチャーのされ方をしますよね。

そういった意味からも、「©SAINT Mxxxxxx」が得意とするヴィンテージ加工の雰囲気と漫画・アニメのコンテンツとの相性はとても良いと思っています。’80年~’90年代のリアルヴィンテージものにも勝るとも劣らないプロダクトづくりを常に心がけています。

 

——今後予定しているプロジェクトやニュースなどでアナウンスできるものがあればお知らせください。

 

まだお伝えできるタイミングではないのですが、色々と計画はありますので、ぜひ楽しみに
していてほしいと思います!

 

セントマイケル  ©SAINT Mxxxxxx

2013年にスタートして以来、数多くのファンを魅了し続けカリスマ的な人気を誇る日本のブランド「READYMADE(レディメイド)」のデザイナー細川雄太と、ロサンゼルスを拠点にアーティスト兼デザイナーとして活動中のCali DeWitt(カリ・デウィット)が手掛ける新たなコンセプトのブランド。リアルなヴィンテージを追及したモノづくりや、手作業によるペイント手法を使用したTシャツやスウェットなどを発表。2020年1月、フランス・パリ にて開催されたSHOWROOMで発表し、2020年秋より日本国内外での展開をしている。

 

ニュース:この度、「©SAINT Mxxxxxx」とのスペシャルコラボTシャツの発売が決定。本アイテムのバックには、士郎正宗氏が手掛けた©SAINT Mxxxxxxのロゴが大胆にデザインされている。このロゴは、約100種類にも及ぶ候補の中から選び抜かれたもので、士郎正宗氏がアパレルブランドのロゴを手掛けるのは今回が初。さらに、本コラボTシャツは全世界限定100枚のみの販売となっており、希少性の高いアイテムになっている。展覧会ならではの特別な一着を、ぜひお見逃しなく。発売は、2025年7月26日(土)からスタート。詳細はこちら