© 士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
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KODANSHA

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2023.12.24Article
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M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-/西山圭太「同型性の宇宙:生命から政策まで」英語版も公開

『攻殻機動隊』を思索・議論するメディアプロジェクト「M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-」。

 

特集#01のテーマは「東洋的|The East」。
西山圭太「同型性の宇宙:生命から政策まで」を英語版も公開しました。

 

官僚として長らく経済産業省に勤務した西山圭太は、不良債権処理から情報通信政策まで、日本社会が抱える山積みの課題に向き合ってきた。1985年に入省した西山のキャリアは、ほとんどが「失われた30年」に捧げられたことになる。しかし、その表情に曇りはない。2019年のダボス会議で日本が発表し、その後G20やG7においても活発に議論され続ける「DFFT」(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)の影の立役者でもある彼は、統治における人工知能(以下、AI)の可能性を信じる現実的な楽観主義者だ。

 

オプティミズムの背景には、骨太な思想がある。官僚として働く傍ら、ディープラーニングのメカニズムや神経科学のモデルとして使われる「マルコフ・ブランケット」からインスピレーションを得た西山は、生命や物質、情報を貫く独自の宇宙論「強い同型論」を提唱。AIにも人間にも、ほかのあらゆる生命体にも共通する「ある」ことと「知る」ことの同型性から、物心二元論や要素還元主義を超えた関係性の実在論へと向かう壮大な理論を展開したのである。その構想はAI研究者の松尾豊と経済学者の小林慶一郎との共著『相対化する知性』としてまとめられている。そこには士郎正宗が《攻殻機動隊》シリーズにおいて展開した生命哲学とも近しい想像力が胚胎しているだろう。

 

産業構造の転換を超えた思想的な変化の端緒として生成系AIの登場を言祝ぐ西山は、日本社会の行く末をどのように展望しているのだろうか。最新の科学技術と古今東西の思想、各国のガバナンスとAIの関係性、デジタルトランスフォーメーションと国内外の組織改革、テクノロジーと歴史哲学……思想と公的実践の複雑な絡み合いの中で育まれる氏のヴィジョンをじっくり聞いた。