© 士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
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KODANSHA

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2023.12.25Article
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M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-/近藤銀河+西條玲奈+清水知子「記憶の継承、未来の複数性」英語版も公開

『攻殻機動隊』を思索・議論するメディアプロジェクト「M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-」。

 

特集#01のテーマは「東洋的|The East」。
近藤銀河+西條玲奈+清水知子「記憶の継承、未来の複数性」を英語版も公開しました。

 

アーティスト・近藤銀河と哲学者・西條玲奈、そしてメディア研究者・清水知子による鼎談をお届けする。3人の対話は草薙素子の不安定なアイデンティティをめぐって始まり、人工知能(以下、AI)やサイボーグ、ロボットといったテクノロジーの表象分析へと進む。作品と現実を往還しながら展開される議論は、《攻殻機動隊》シリーズの可能性をひらくものでもある。これまで電脳世界や都市の描写に見られる東洋的なモチーフがテクノオリエンタリズムと関連づけられ、あるいは、ダナ・ハラウェイのサイボーグフェミニズムを下敷きに、折衷的、脱構築的、ハイブリッドなどと形容されてきた同シリーズ。その再解釈を通じて、私たちの身体と社会、技術もまた別様の姿をみせるだろう。

 

近藤は、VRやAR、ゲームなどさまざまなメディアを用いて、レズビアンと美術の関わりをめぐる作品を制作するほか、ME/CFSという難病を抱え車椅子で生活する当事者として、またセクシュアルマイノリティとしての発信も精力的におこなう。西條は、分析哲学を背景に、フェミニスト哲学やロボット倫理学を研究しており、とくにロボットについては、その社会的位置づけや倫理的懸念をジェンダーやセクシュアリティの観点から分析し、注目されている。清水は、文化理論やメディア論が専門で、ハラウェイの理論への造詣も深い。グローバル社会の権力関係に対する批判的な視座をもち、現代美術やサブカルチャーに対する果敢な批評でも知られる。

 

ジェンダーやエスニシティ、階級といった切り口を交差させながらテクノロジーを分析する中で、やがて話題はAIによる未来の多元性へと及ぶ。私たちは技術を多数派から解放し、偶然性と複数性に向けてひらくことができるだろうか。ローカルな文脈を引き受け、コミュニティの記憶を語り継ぐ。そんなオルタナティブなAIの可能性を探る。