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2023.12.26Article
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M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-/安田登+浜崎洋介「新しい時代をめぐる身体のゆくえ」英語版も公開

『攻殻機動隊』を思索・議論するメディアプロジェクト「M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-」。

 

特集#01のテーマは「東洋的|The East」。
安田登+浜崎洋介「新しい時代をめぐる身体のゆくえ」を英語版も公開しました。

 

下掛宝生流ワキ方の能楽師・安田登と、気鋭の若手保守批評家・浜崎洋介の対談をお送りする。本対談では、映画『イノセンス』で参照された能の身体感覚を手掛かりに、AI時代における身体・伝統・保守についての議論が展開される。対談を貫いている「日本的身体」とは、身体に霊性を、自然環境に神聖性を感じるような関係論的なものであるが、それは「神」や「主体」などの虚焦点を想定するキリスト教的な思考方法や感覚とは異なるものとして扱われていることをはじめに断っておきたい。その違いを認識したうえで、AI時代以降における私たちの「身体」のあり方を問おうというのが、この対談の主要なテーマである。

 

安田は、650年の歴史をもつ、現存する世界最古の舞台芸術である能を専門としながらも、アメリカのボディワーク「ロルフィング」から日本・中国の古典に関する学識、あるいは過去に3DCGやゲーム、インターネット関連の書籍を執筆するなど、じつに広範にわたる領域を渡り歩いてきた経歴をもつ。対する浜崎は、福田恒存という日本の保守思想家を博士論文の研究対象に選び、『反戦後論』(文藝春秋、2017)や『シリーズ・戦後思想のエッセンス 三島由紀夫』(NHK出版、2020)などの著作を通じて、戦後の日本社会を批判してきた論客である。そこには「生命」や「充実」をこの現代社会にどう取り戻すのかという問題系が一貫している。

 

はたして本対談では、情報化社会が画一性を拡大させていく中で、いまの私たちが喪失しかけているもの──かけがえのなさ、全体における個の位置づけ、歴史とのつながり──をめぐる悠揚自在な対話が実現した。変わりながらも、続いていく。守りながらも、新しくなっていく。そのような困難な課題を、第四次産業革命を迎える世界は、担わなくてはならない。二人の対話には、私たちが社会の変化と連続のはざまで、どのようにバランスをとるのかを考えていくためのヒントがたくさん眠っている。