2023年11月23日(木・祝)実施『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』初日舞台挨拶公式レポート
2020年4月から配信がスタートした『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズの完結編、『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』の劇場公開がスタートしました。
公開初日となる11月23日(木・祝)に初日舞台挨拶が実施され、田中敦子(草薙素子役)、大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)、潘めぐみ(江崎プリン役)ら豪華声優陣が集結。完結となる本シリーズへの想いを語りました。
『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』 初日舞台挨拶概要
■日時:11月23日(木・祝)18:00~18:30 ※上映後イベント
■登壇者(敬称略):田中敦子(草薙素子役)、大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)、潘めぐみ(江崎プリン役)
■場所:新宿ピカデリー シアター1(新宿区新宿3丁目15−15)
『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズが、3年半の期間を経て完結。キャスト陣は満員の観客から拍手喝采で迎え入れられた。田中は「シーズン1の配信開始された時期はコロナが始まった時期で、そこから3年半も経ったのかと。長いようなあっという間のような気がしています。このように2本目の映画にたどり着けて幸せです。」としみじみ。大塚も「あれから3年半も過ぎたのかと…。どんどん過ぎていかない? 時間!! でもよく完結したな、という感じです。」と時の流れの早さに驚いていた。
山寺は「今はあたりまえに使われているサスティナブルという言葉だったり、攻殻で色々な未来を知っていた感じがして。それに現実が追いついていくように思って。そして今も戦争はあるわけだから、現実社会とリンクしている部分もあるなと思う。」と、作品の先見性に改めて注目。潘は「3年半というあっという間のような、長い時間を一緒に過ごしたような、時間の流れを旅した感覚です。完結するのは寂しいけれど、皆さんにお届けできたことに嬉しい気持ちでいっぱいです。」と公開初日を喜んだ。
劇場版では、エピローグパートのバトーとトグサの車内の新シーンをはじめ、シマムラタカシとプリンと草薙、そして草薙とバトーのラストシーンのセリフなどが、シリーズから新たに追加された。新規カットについて、田中は「劇場版では違った結末を皆さんにお伝えするということで、神山健治監督と藤井道人監督が長時間にわたるディスカッションを重ねられたそうです。私たちがそれを伺ったうえで、新規収録に臨めたのは意義のあることで、気持ちを新たに収録することが出来ました。」と納得の表情だった。
『S.A.C.』シリーズでも描かれていなかった新人時代と思われる回想シーンも含めて、本作でのトグサの活躍について山寺は、「トグサの物語のように始まったのは嬉しかったけど、シリーズの最初が、トグサが離婚したところから始まるので、『これは皮肉か!? 監督どういう意味だ!?』と思いました(笑)。しかも、ちょっとヨリが戻ってる感じじゃないですか……。私は、戻ったわけじゃなく新たな幸せを掴みまして!」と、祝福の拍手をもらうも、「でも今の幸せが“見せられている”虚構だったらどうしよう…」と、自虐エピソードで会場を沸かした。
また、キャストそれぞれから演じたキャラクターへの熱い思いも語られた。江崎プリンについて潘は、「シリーズを通して『攻殻機動隊』はノスタルジーを大事に描いているので、プリンからも郷愁を感じました。郷愁と書いてプリンと読むんです!」と熱弁。山寺はトグサについて「今まで自分に近いキャラは『アンパンマン』の“カバお”だと言ってきたけど、やはりトグサだと思う。一番自然にやっている役かも知れない。無理なく演じられる存在であり、とても大切なキャラクターです。」と、ユーモアを織り交ぜながらも思い入れを口にした。バトーについて大塚は、「付き合いが長いので他人とは思えないですね。『攻殻機動隊』の世界はフィクションなわけだけど、バトーは本当にいて、シンパシーを感じる(相手の)ような。」としみじみ。そして、本作の主人公でもある草薙素子について田中は、「1995年の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の時のオーディションで素子は私を選んでくれて、そこから足掛け28年。最初は手の届かない孤高の存在だったものが、回を重ねるごとにお互いに寄りかかれるようになった。今となっては相棒のような存在です。声優を続けてきた中でもかけがえのない存在で、彼女がいなかったら私は今ここにはいないかもしれないと思うくらい、大切なバディですね。」と、大事な存在であると話していた。
また、11月14日(火)は田中が、そして24日(金)には大塚が誕生日ということで、山寺と潘から本作の劇場版グッズセットが2人にプレゼントされた。田中は「こんなにたくさんの皆さんに誕生日を祝ってもらう機会は今までなかったです。本当に幸せで感無量です。」と感激。大塚は「僕なんてまだ誕生日が来てないのに祝ってもらってすみません!皆さんから温かい拍手をくださるだけで、また明日からの生きる勇気が湧いてきます!」と感無量の様子だった。
そして登壇者が舞台挨拶を締めくくる挨拶をする中、田中は「ここにこうして立っていられるだけで心から幸せです。『攻殻機動隊』は『最後の人間』で一旦結末を迎えるのかもしれません。でもどうか忘れないでください。皆さんがネットにアクセスする時、『攻殻機動隊』にアクセスする時、私たちは、私はいつまでも皆さんのそばにいます。どうか忘れないでください!」と、シリーズ作品である『イノセンス』の草薙素子のセリフを引用し、熱い涙を流しながら、作品を支えるファンたちに謝辞をのべ、劇場は大きな拍手に包まれた。