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M.M.A. -Massive Mesh Ambitions- 特集#03/大屋雄裕「ゆらぐ境界線」
『攻殻機動隊』を思索・議論するメディアプロジェクト「M.M.A. -Massive Mesh Ambitions-」。
特集#03のテーマは「境界線|Boundaries」。監修を務めるのは、これまで技術の進化と社会の変容をともに論じてきた法哲学者・大屋雄裕。
国家と企業、戦争と平和、軍隊と警察、人間と機械、公的領域と私的領域……本特集「境界線|Boundaries」の監修を務めた法哲学者・大屋雄裕の問題意識は、近代社会を構成するさまざまな境界線と、そのゆらぎに向けられている。
ゆらぐ境界線は、《攻殻機動隊》シリーズが、公安9課が、草薙素子が対峙してきたものでもある。大屋はそのように分析して、情報技術の発展によって否応なく変化を迫られる現実世界の問題と、作品世界で先駆的に取り上げられてきた問題とを重ね合わせる。
両者を結びつけるのは、政治学者・五百旗頭薫による印象的な表現「昆虫化」だ。生物的なメタファーを引くことで、大屋の議論は境界線のゆらぎがもたらす危機と変容の可能性へと向かっていく。大屋雄裕「ゆらぐ境界線」は、これまで技術の進化と社会の変容をともに論じてきた著者が記す、本特集を俯瞰するような編集後記となっている。
図版:studio TRUE